呼吸とはどんなものか。
普段何気なく行っていますが、意識したことはありますか。

ヨガでは呼吸にフォーカスする時間が多々あります。
多々というか、アーサナや瞑想など行っているときは基本ずっと意識しているはずです。

特にアシュタンガヨガという流派ではウジャイ呼吸で喉を震わせ呼吸しています。
すでに実践している方はやり方の指導を受けていると思いますが、どんな呼吸か、体の仕組みなども含めて深めていきたいと思います。

勝利の呼吸、ウジャイ呼吸法

ウジャイ呼吸の特徴は「音」

喉の奥を震わせ、声を発するように呼吸します。

この音は、呼吸の通り道である軌道の入口には声帯があり、そこにある声門が関係しています。
「門」という名前がついている通り開閉して空気の通りをコントロールします。
深呼吸などで息を多く入れようとしているときは開いており、しっかりと閉めることで私たちは発声しています。

ウジャイ呼吸はその通りを狭くすることで、呼吸の伸びを深め、空気が通ることで摩擦し音が発生します。

空気が通る時の摩擦音なので、通る空気の量が少なければ音は小さく、音を大きくするには空気の量を増やす必要があり、深く長くできる要素が必要です。

深く長く呼吸するには2つのポイントを意識する必要があり、一つは骨盤底、二つ目は横隔膜です。

横隔膜は胸とお腹の境目にあり、横隔膜の動きによって呼吸の出入りが生まれています。
この横隔膜と連動するように動いているのが骨盤底で、骨盤底には幾つかの筋肉が層になった膜があり、骨盤内の臓器を支えたり、排尿・排便のコントールなどの役割があります。

横隔膜を下げて息を吸い、上げて吐くというようなイメージがヨガの中でもよく行われますが、このイメージを骨盤底でも行えるかどうかが呼吸の深さに関わってきます。

ヨガでは「お腹を引き上げる」という表現が出てきますが、これは「引っ込める」ことではありません。

腹筋の一部は肋骨に付着していて、この部分を緊張させてしまえば肋骨、胸郭の動きを妨げ呼吸は浅くなってしまいます。
ただ引っ込めるとこの妨げが起きるので、おへそより下の部分のみを引き締める、引き上げるの違いを体感できると良いなと思います。

腹筋群の中の腹横筋の下部のみ緊張させることで、お腹の上部にある横隔膜は自由に動きやすくなります。

練習を重ねていく中でさらに深い層への感覚を意識していくことが、より呼吸を深くすることにつながります。

なので、当たり前におこなっている呼吸も練習が必要なのです。

言葉にするほど簡単ではない

グループレッスンの場合、みなさんの認知を揃えたいので普段あまりフォーカスしない練習などをする際はレッスン前に「これご存知ですか?できますか?」という問いかけをします。

知らないことは恥ずかしいことではないはずなんですが、大人ほど見栄を張って「知ってます」と答える人が多くいる気がします。

私はその場合、その言葉を信じてそのままレッスンを進めたりしますが、実際蓋を開けたらわかってない人の方が多いのも事実です。

何やってるか謎のまま進んでいくレッスン嫌じゃないですか?
後から聞けばいいやの人もいるかもしれませんが、練習中にそれができた方が良くないですか?

わからない人がいた場合、もう一度最初から確認することから始めないといけないので、知らない場合は「知らない」と答えてくれた方が自分の練習にもなると思います。

知ってて(練習不足などでまだ)できない人と、知らないで(わからないから)できない人は見てればわかります。

特に呼吸の練習などの骨盤底の動きは目に見えるものではないですし、まずは知ることも大事です。

胸郭の動きも肩や背中に余計な力みがあれば呼吸が妨げられてしまいますし、胸郭の動きそのものを大きく動かしていくことにも練習が必要で、それらをコントロールするには言葉では簡単に説明できますが、実際動かすことは容易ではないです。

だからこそ日頃のアーサナの練習が活きてくるのです。

横隔膜と骨盤底、この2つをはたらかせ深い呼吸を行い、そして最後の声門で空気の通りをコントロールすること、これがウジャイ呼吸です。

解剖学的な物理構造として感覚をより繊細におこなう呼吸も重要ですが、ヨガにはその先があることを知っておくべきかとも思います。

ウジャイ呼吸だけでなく、呼吸法のことをサンスクリットではプラーナヤーマといいます。

プラーナヤーマとは、
プラーナ(प्राण, prāṇa)= 生命エネルギーや生命力そのもの、呼吸、気息
アヤーマ(आयाम, āyāma)= 拡張する、制止、制御

という2つの言葉からできています。

プラーナという生命力そのものを拡大させて身体の隅々にまで拡げていくものがプラーナヤーマです。
生命力とは日々の生活をエネルギーに満たされたものにしていく、さらなる幸福な人生を過ごしていく技術でもあります。

習得していく過程もプラーナヤーマであり、さまざまな変化を感じ取れるようにウジャイ呼吸だけでなく日頃も丁寧に呼吸をしていきましょう。

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